2月10日は2024年旧暦の元日。あけましておめでとうございます。
この様な新年の挨拶を引っ込めざるを得ない事態に先の1月は新暦正月の元旦から能登地震に続き航空機事故も起こり、意気消沈していました。地震、航空機事故どちらも明日は我が身⁈です。
そんな1月でしたが、年末年始は毎年恒例リーガロイヤル大阪で過ごした後に2回こちらのホテルにも世話になりました。久し振りの新阪急ホテル。25-30年程前に関東住民だった頃たまに大阪滞在する事あり、当時何度か宿泊利用し近年も数回利用しています。
阪急梅田駅・地下鉄御堂筋線直結、JR大阪駅徒歩すぐ、伊丹・関空バス発着。ダンジョンと言われる大阪梅田駅界隈で立地最高と言っていいホテルです。
阪急阪神第一ホテルグループ公式サイトで『大阪・梅田地区の発展の歴史の中で、一部の特権階級向けのホテルではなく、ビジネスマンが利用しやすいホテルとして1964(昭和39年)8月に開業』と紹介されています。
↑ロビーエリア。以前はカフェラウンジでした。
新阪急ホテルは、残念ながら2025年1月4日に営業終了する事が2023年10月31日に公式発表されています。
地元の駅から大阪へ出る時に乗る、特急くろしお号が2023年3月18日からJR大阪駅に新しく出来た地下ホームに停まる様になりました。ですが「分かりにくい」「迷う」と悪評ばかり耳にして利用を敬遠。でも今回は余裕もって時間を取り、攻略に挑戦です。
できたてホヤホヤの新しい、くろしお号(関空に行く「はるか」等も停まります)の停まるJR大阪駅地下は広く綺麗なトイレも整備され座る所も多い快適な場所でした。確かに初見では分かりにくいけど、一度覚えると使いやすいですね。
事前登録が必要らしい顔認証改札(誰も利用せず)を見物
改札出て左手にある「パンダくろしお号」の顔はめ看板 なるほどインターコンチネンタル・ホテル等が入るツインタワー複合ビル、
グランフロントの地下エリアに出る訳ですね。この辺りは「うめきたエリア」と呼ぶそうです地下駅ホームからJR大阪駅の地上エリアに出て
JR大阪駅ビルのルクアなどがある階まで来ました。まっすぐ行った先に新阪急ホテルが見えます。画像左手、ヨドバシカメラの斜め前
阪急梅田駅まで続いている歩道橋から新阪急ホテル全景が見えます
新阪急ホテルから出ている伊丹空港と関空行きバス。交通系ICカード持っていればすぐ乗れて便利。私も何度か利用している乗り場です
バス乗場から数歩先でホテル入口
シングルで予約していたところ無料でセミダブルにアップグレードしてもらえました。年会費無料すぐ入会できる阪急阪神ホテルズ会員ですと公式サイトからの予約は13時チェックイン・15時チェックアウト可能。通常予約では15時イン11時アウト、2000〜3000円ほど高くなるので公式サイトからの予約が最もお得かな
水はサービス、冷蔵庫は空
置き時計タイプの目覚ましは使いやすくて好きです。連続秒針でコチコチ音も気になりません
この窪みはコンセントも付いており、スマホも置ける幅でした。マイキーも安定
壁掛け式テレビ
阪急阪神ホテルズなので「宝塚スカイステージ」が一日中(放送時間は朝7時〜深夜2-3時頃)無課金で視聴可。無料パンフレットには月間番組表も掲載、いま何が放送されているのか一目瞭然 可燃・不燃別のゴミ箱
バスルーム。ロビー階で歯ブラシ等は取ってくる必要ありましたがボディタオルだけは部屋に始めから置いてありました
今回の主目的は、かつて美しいホテル画像の数々と鋭い切り口の批評でホテル愛好家達に知られたサイト『喜怒哀楽』を運営し本業は凄腕エレクトーン演奏家の神田 将(かんだ ゆき)さん出演のライブが、ビルボード大阪で開催される為。今で言う"推し活"ですね。笑
『喜怒哀楽』は1992〜2011年迄の運営。現在でも見る事は可能なので、ご興味ある方は是非。私は過去なにかホテル情報検索している時に偶然、このサイトに辿り着きました↓
ビルボード大阪は気になっていたホールなれど、今まで来る機会ありませんでした。今回が初です
神田さんはクラシックとミュージカル音楽を主に得意とされる方。そんな神田さんの演奏に惚れ込んだ、藝大出身の同級生同士でオペラ歌手の今井俊輔さんとミュージカル俳優の中井智彦さんによるコンサート。
昼と夜の2回開催。半分くらい曲が違うとの事で気になってつい、昼夜どちらも鑑賞する事に。同じ舞台を昼と夜続けて鑑賞する行為は"マチソワ"(マチネ・ソワレ)と昨今言うみたいですね。
昼の部から。
いつもは可能な限り前の席を取る所、今回は同行の筈だった友人2人の都合つかず1人参加。ビルボード前部席は相席になり少々気まずいかなと思い、後ろにあるバーカウンター近く1人でも座りやすいカジュアル席を敢えて選定。
SNSで交流のある神田さんに、今日は◯番の席から鑑賞しますと事前メッセージ送っておりました。着席すると、ススっと神田さんの一番弟子なRさんが席まで来て、神田さんから一杯おごりますので好きなメニュー選んで下さいとの嬉しい申し出。グラスシャンパン頂きます!
コンサートはおもむろに登場し突如始まった神田さん独奏で幕開け。続いて中井智彦さんによる「ラ・マンチャの男」で軽快かつ勇壮なミュージカルナンバーが歌われ、そして今井俊輔さんによるオペラ曲カルメンから晴れやかな「闘牛士の歌」!
いつもは曲の解説・背景や演奏時の裏話など軽やかに聞かせてくれる神田さんトーク挟まれる所ですが今回それは封印。今井さん中井さんコンビによるコントの様な掛け合いが、歌の合間に挟まれ会場を沸かせます。(神田さん談:今回の主役はお二人だからね、との事。分かっていても神田さんのトークも聞きたかったなと)
今回のテーマ「Crossover」クロスオーバー。wikiによると「ジャンルの垣根を乗り越えて音楽性を融合させるスタイル」
藝大の同級生なれども卒業後はクラシック、ミュージカルそれぞれ違うジャンルに進んだお二人。何年間か交流にブランクあったとか。現在オペラ歌手の今井さんは以前、演出家の浅利慶太氏に声を掛けられミュージカル「オペラ座の怪人」ファントム役で出演された事もあるそう。その稽古場でラウル役の中井さんと再会!そんな偶然あるのですね。
「オペラ座の怪人」は私が最も愛好するミュージカル。ダーク・ファンタジー風な作風に心揺さぶられ、アンドリュー・ロイド=ウェバー卿による激情を孕んだ壮麗な曲の数々は何度聴いても飽きる事が無い。劇団四季の舞台は勿論、ロンドンのウエスト・エンドにも舞台観に行ったなあ。そう何度も行かれないですけど。
話それました。そんな「オペラ座の怪人」ですが神田さん得意とする曲の筆頭、そのダイナミックな演奏は聴くたび心に響きます。今回の登場予定曲の中に「オペラ座の怪人」があったので、万障繰り合わせ聴きに来た様なものです。
期待通りにコンサート中盤辺り神田さんによる「オーバチュア」で華麗に始まり、ファントム今井さんによる哀切で重厚なミュージック・オブ・ザ ナイト。ラウル中井さんによる癒しの、オール・アイ・アスク ユー ‥‥いやはや感無量の「オペラ座の怪人」いいとこ取りを聴けてしまい眼福ならぬ耳福な、ひと時でしたね。
休憩無し約70分位で、昼の部は終演。
夜の部の入場まで約1時間ほどの隙間時間あります。ビルボード大阪の近くにあるイタリアのバール風なカフェで小休止しました。
夜の部へ。
昼の部を観察するに、このホールは開演1時間前の開場時間辺り早めに来て、自席でゆっくり飲食を楽しむゲストが多い様子でした。
夜の部は開演18時。開場時間17時ぴったり位に再び入場します
夜の部の席。昼の部よりも少々ステージに近くなります。
夜の部は「エンジョイプラン」で予約。おつまみプレート的な一皿に、赤・白・スパークリングに日本酒のフリーフロー付き。美味しそうだったのと、この日の夕食はこれで済まそうという横着な思惑もあり‥。
始めの一杯は、やはりスパークリングから。
おつまみプレートも来ました。子持ち昆布に、お刺身、小魚の南蛮漬け、あん肝‥‥分かっていたとはいえ何て酒飲みホイホイな一皿なのでしょう。アテ勢揃い。これは日本酒か??だけど私は日本酒は一応飲めるけど、体質的に酔っ払いやすいお酒だし‥‥
‥‥などと煩悶しつつ食べていると熟練した雰囲気のスタッフさんがいつの間にか横に立っており、今こちらお薦めしておりますと言いその手には京都伏見の酒蔵「月の桂」純米酒が!もちろん注いで頂きました。「月の桂」は以前ツテで当主に会えて蔵見学もした事のある所で、個人的に親しみもあり。飲み口すっきりとした私好みの味わいです。
次にチビチビ飲める赤ワインを頂いておき、夜の部開演です。
シニアの方々が今回メイン客層だった為か昼の部よりも若干人数が減り、やや落ち着いた雰囲気に。私の個人的なお楽しみ「オペラ座の怪人」タイムは曲の持つイメージも相まって、夜に、しかもお酒を飲みつつ聴くのは格別な体験になりましたね。
夜の部ならではの「ムーン・リバー」も登場し、僕らの曲です!と前置きのあった「My way」では大盛り上がり。フランク・シナトラですね。
まさに『同期の桜』な熱いお二人の熱唱と、それを背後からガッチリと緻密かつ煌めく演奏で盛り上げた神田将さん。唯一無二の音楽体験になり、心から感謝申し上げます。
飲食しながら観劇てどうなんだろう、落ち着かないのでは?との訝りを吹き飛ばしてくれたビルボード大阪。中井智彦さんもコンサート中に語っておりましたが「ゆったり飲食しつつの鑑賞て良いですね、大体コンサートっていうと、かしこまってジッと座って聴くものって思っちゃいますけど」(←この通りではありませんが、大体こんな事を仰っていました) 全くホントその通り!飲みながら、食べながら鑑賞できるってヨソでは中々あり得ないので。嬉しく楽しい鑑賞中の気分が増幅する効果ありますね。
『喜怒哀楽』でホテル、レストランのサービスに対し辛口で鳴らした神田さんも、後日SNS上でビルボード大阪のバックヤード体制とスタッフさん達を賞賛しており、驚かされました。
新阪急ホテルには10日後に再び宿泊します。ホテルで朝から開催される、とある教室に参加する為。持ち物は欠けた器とエプロンです。
(続く予定)